「嘘をつけ!SSのリーディングをそんな簡単に切れるものか!」
「貴様は覚悟が足らないからそういうこと言うんだよ!意気地なしめ!牡じゃないんだよ!」
「意気地なし!?覚悟がない!?」
「ホントの覚悟ができていれば、リーディングサイアーだってできる!キレてやるんじゃない、インブリードしなくたってオーナーの確信があり、信念を通そうという確固たるのがあれば、できるもんだ!」
「事情があった!…事情が!」
「覚悟がないからSSだって沈められないんだぁ!」
「な、なに?」
「本気でSSを沈めるつもりがあれば、お前が種牡馬入りしたときミスプロ系なりブライアンズタイム系を持ち込めたはずだろ!」
「その程度のことでは、SSは沈むわけがない!」
「沈むなぁ。二重三重のクロスを血統内で爆発させてみろ。SSにだって勝てる」
「沈まない!」
「YOUよぉ、おかしかぁないか?
ならなんで外に出ていって『SSに勝とう~』なんて言ってんだ?」
「それは、疾風配合とか、血脈活性配合とかの可能性はあった!」
「大牧場と後継が山ほどいるSSなんかハナから沈める気はないんだ。それがお前のホントの気持ちだから、GⅠ勝利なんかやってみせて協会から食い扶持をもらうためにカッコだけはつけてんだぁ!」
「違う!! あいつらは、後継もろとも消えてなくなればいい!」
「…ホントにそう思えるか?」
「なにを…言いたい!」
「俺さぁ、ダイイチルビーと愛しあったなあー」
「俺の知ったことか!」
「種付け料を提示したらすぐに寄ってきたんだよ」
「サラブレッドのやること、珍しくもない!」
「ハギノトップレディもなんだ」
「…なにを言ってるんだ?」
いやさぁ、在来血統なんて馬鹿にしてたさ。がねぇ、いやぁ、味わい深かったって感動したぁ
「ハハハッ!誇れよ!普通こういう話は面白がるんだぜ?誇るっていうことの意味は解るよなぁ?
お前にはSSを沈めることはできない!」
「嘘だっ!トニー流の強がりだ!」
「ならお母ちゃんに聞いてみなよぉ。情熱を秘めた血脈…」
「貴様あぁっ!!」
「済まない、言い過ぎたな。
しかしもう一つ現状報告をしておくと、在来血統が冷遇されてもそれに負けてないのが
お前のお父ちゃんってことだ!お前はそういう牡と牝の間に生まれた名馬なんだよ!」
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作ったもの:mylist/65067797